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院長の独り言

院長の独り言vol.173

院長の独り言 その173  <ノーマジーン:2016年6月号>

ポルシェ

 昔はポルシェが欲しかった。

学生時代は貧乏で、バイトでお金を貯めてやっと原付バイクを手に入れた時は、行動範囲が広がり嬉しかった。やがて医師になり、大型バイクを手に入れた。結婚を機にローンで車を買い、車の便利さを知った。

友達には車好きが多く、友人のポルシェを見て、いつかは自分もと思った。

「いつかポルシェを買ってもいいかな?」と結婚当時妻に聞いてみた。

「子供が大きくなったらね」との返事。

「まだ子供いないし、先のことじゃない」

「子供いらないの?」

「欲しいけど、じゃあ子供が大きくなったら買っていい?」と聞くと

「開業資金もいるからね~」

「開業したら買ってもいい?」と粘ると

「家はいらないの?」

「家を建てたら買ってもいい?」さらに粘ると

「ローン終わったらいいんじゃない。でも、その頃ポルシェを欲しいと思うかな?結構年だよ」と言われた。

あれから25年の時が流れ、まだ大学生になれない息子はいるが、開業もしたし家も建てた。そして妻の予想通り、ポルシェ熱はもうない。スポーツカー自体乗りたいと思わない。SUVで十分、国産車がいいと思っている自分がいる。

「あれも欲しい~、これも欲しい~」と物欲の塊だった私が、「これを買っても使うかな?」「本当に必要かな?」と考えるようになった。

昔、宝くじが当たったら何を買おうとノートに書きだしたことがある。当時前後賞合わせて1億円。買いたいものを全部買っても5千万円も余る!とウキウキしたのが懐かしい。

今だったら、子供の学費、ローン返済、老後の資金、あまりに現実的で夢がない。でももし当選したら?

仕事を減らして長期海外旅行もいい。仕事を辞めると宝くじが当たったのがばれるかも・・・と変な心配をしながら、宝くじ売り場にたまに並ぶ夢みる夢男です。

ちなみに私に似て物欲の強い息子が何か欲しがる度に「まずは大学生になろうや!」と私同様に妻に諭されている。

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